味噌づくりの基本 — 三つの材料を知る

味噌づくりの材料|まず知っておきたい三つの基本

大豆|失敗を防ぐ鍵は「浸水時間」

味噌は何からできている?|大豆・糀・塩

初歩的な質問ですが、一つ目は、豆(大豆)。二つ目は糀、そして3つ目は塩ですね。味噌は、この3つの材料を混ぜるだけでできるのですが、今日この時間を迎えるまでに実は3日ほど前から準備が始まっていました。

まずはじめの材料の大豆ですが、皆さんにとっては、節分でよく目にする炒った大豆だと思いますが、初めは丸くてとても硬いですね。はじめにそのもとの大豆を洗って水に浸しますが、全国的なレシピですと、だいたいほとんどが「洗って一晩水につけてください」と書いています。どうでしょうか。一晩って、人によって判断がかなり違いますよね。人によっては5時間も一晩、12時間も、そして24時間かな? 判断がバラバラですよね。

けどどの一晩もこの冬の間の味噌づくりでは失敗します。私がおススメしているのは大豆を洗って水につける時間は丸2晩の2日ということで、時間でいうなら48時間以上です。なぜそんなに長くつけるかというと、冬の一晩だと寒すぎて大豆が十分に水を吸いきれなくて、中途半端に吸った状態だと、そのあと煮ても、煮てもどうも柔らかくならない。それをつぶそうとしてもなんだかぼそぼそした感じで硬いなんてトラブルが多いのです。

そうなので、寒仕込みの1~3月の味噌づくりのときの豆は2日の時間でいう48時間をじっくり水に浸すことが大切です。大豆がたっぷり水を吸ってパンパンになった状態から煮始めると、楽に美味しくて柔らかい大豆が煮えます。大豆の種類によっても差がありますが2日水につけるということで安定した状態になります。

大豆を煮ると、はじめびっくりするほどアワアワでモコモコとアクのようなものが出てくるのでびっくりすると思いますが、丁寧にそのアクを取りながら、初めは強火ですが、アクがある程度とれたらあとはコトコトと弱火で5時間以上じっくり煮てあげます。煮た後は熱々では触れないほどなので、さらに一晩かけてじっくり冷ましながら煮汁をさらに吸わせてあげます。この煮汁がとっても美味しいです。美味しく煮えた大豆を食べてみましょう。いかがですか?

口のなかに入れたとたん、溶けるように潰れてゆく柔らかさです。普通の煮豆よりもはるかに柔らかくて美味しいですよ。全くの水煮だけで味つけしていないですが、豆って美味しいです。この柔らかさが味噌づくりではとても大切です。この講座では、参加すると、材料も道具もそろっていて、一番大変な大豆が煮てあるから皆さんとても喜ばれます。家庭でこの量の大豆を煮るって大変なことです。大きな鍋もないなんてこともありますよね。

そして講座では片づけもしなくてもいいっていうのが一番うれしいことですね。講座としては、ほとんど材料代だけくらいで行っていますから、年々受講される方も増えています。

はじめは2㎏くらいお試しで作った方が、2㎏では全く少ないということで、次の年は5㎏くらい、そしてまた次の年は10㎏くらい仕込むということでどんどん増えていく傾向があります。それも2㎏くらいだったら一人で楽にできていたのですが、量が増えると一人で仕込むのが大変だから次の年は子どもたちを連れてきて仕込んで、さらに次の年の10㎏くらい仕込むとなったら、旦那さんまで連れてきて、家族総出で味噌づくりされるなんてこともよくありますよ。

糀|お米に花を咲かせる発酵の力

次の材料は糀。糀づくりは、ちょっと職人的な世界になります。よしま農園では糀は年中作っています。糀づくりを少し説明します。糀のもとはお米ですね。お米を私たちは普段、お米を炊くといいますが、糀のためのお米は蒸すのです。蒸したお米に「糀かび」という特殊なカビの菌をつけて増やすのですが、説明は省略しますが、温度管理をしっかりしながら、手入れをしながら約48時間で糀が完成します。

カビというと皆さんぎょっとして、カビは大敵なんて言いますが、カビはカビでも糀かびというのは、日本人が特殊な方法で発見して食品づくりに活用してきたカビです。この糀がもとになって、お酒、味噌、あまざけ、糀の調味料などいろいろなものに発展して活用していくことができます。

できた糀も食べられますから、少し味見をしてみてください。少し乾燥ぎみで硬さもありますが、ほんのりと甘みもあって美味しいですよね。そしてよくみると糀の塊を割ってみるとお米がまとまっていてその周りにほわーっとカビの菌糸のようなものが出ているのが見えますよね。これを昔の人は、お米に花が咲いたって言いました。そうなので糀という漢字は米編に花と書いて、「糀」です。糀を麦でつくる地域もあるので、麦を漢字にあしらった麹という字もあります。

あえて「米麹」と言ってみたりしますが、「糀」は、まさしく米糀のことですね。

全国的に地域によっても味噌の材料は違って、例えば九州の場合は麦麹味噌が多いです。そして岐阜県で言ったら郡上八幡の一部の地域や、長野や群馬県の一部の地域でも麦麹の味噌が作られているところがあります。それはお米よりも麦の栽培が盛んだったとか、長野や群馬の特定の地域は、山深くてお米の栽培が難しかったような場所は、穀類として麦しかできなかったような場所では麦麹の味噌が伝統的に作られてきたということもあるそうです。

そして八丁味噌に代表される愛知県の味噌は小麦もお米も使わない大豆だけの、大豆麹の味噌というのも有名ですね。

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