減塩の誤解

塩をとるほど長寿?!

現代の日本は減塩ブームです。普通ブームといえば何か魅力的なものに対して人が「○○したくなる、○○を買いたくなる、○○は人気だから」というように自然なかたちで社会的傾向が生まれるのをいうのですが、減塩についてはブームと言われますが、おかしな現象だと思いませんか。

なにも人が薄味のものが好きでたまらないから塩を減らしたいとか、塩がすくない味はついつい食べたくなるでしょうか?なぜ減塩かといえば、「塩分は高血圧のもと、万病のもとだから塩を減らしなさい」というように見聞きしているから、本音は「塩味が効いたもののほうが美味しいけど、しぶしぶ減塩食品をとる」のではないでしょうか。場合によっては腎臓の疾患をもっているための塩分制限ということは治療のためには一時的にはやむを得ない場合もあるかもしれません。ただし、日本人は世界的にみたら塩分摂取量が多い国ですが、長寿で、じつは高血圧患者数も決して多いわけではないのです。

味噌汁や醤油に含まれる塩は高血圧の原因にはならないことが証明

また味噌汁に含まれている塩分の摂取は決して高血圧に直結しないということが日本高血圧学会(平成25年、第36総会研究発表)で明示されました。減塩をしなければならないという根拠はじつはとても乏しいのです。そして減塩しても血圧は下がらないというデータもあるそうです。

参考 みそ汁の塩分が、高血圧には影響しない理由とは! | 笛吹きおじさんの、中高年が健康で快適に生きるための情報

「日本人は塩分を悪者扱いしすぎ」と和田秀樹医師が警鐘 「1日あたり10~15gの塩分摂取が健康的で夏場の熱中症対策にも効果的」 (1/1)| 介護ポストセブン

 健康にまつわる情報のなかで、「老化を防ぐ」食事や運動、生活習慣の話ほど、間違いが多いものはない。最新の研究ではすでに否定されているにもかかわらず、いまだに推…

塩をたくさんとっている日本人が証明する、長寿の秘訣は?

世界的に長寿の国だとされる日本ですが、さらに日本のなかでも長寿を細分析してみましょう。

全国の各県別平均寿命ランキングです(以下、厚生労働省国民健康栄養調査2016)。男女でわけて、男性1位滋賀県、2位長野県、3位京都府。女性1位長野県、2位岡山県、3位島根県です。男女ともに上位に長野県が入っていますね。この順位をみると多くの人は「長野県はすごいなぁ。よほど健康に注意しているにちがいない。減塩にしっかり取り組んでいるに違いない」というように連想することでしょう。

しかしどうでしょうか。次のは各県別食塩摂取量ランキングをみてみましょう。

男性1位宮崎県、2位福島県、3位長野県。女性1位長野県、2位福島県、3位山形県。これもまた男女ともに上位に長野県が入っています。

塩分を多くとっている長野県なのに、平均寿命が長いのです。これだけみても、塩分控えめって大切なの?と疑問が出てくるはずです。

大切なのは、塩をとりながら野菜をたっぷり食べていること

さらに何か長野県が秀でていることはないかと調べてみたところ、素晴らしいデータが出てきました。野菜消費量ランキングです。男性1位長野県、2位福島県、3位宮崎県。女性1位長野県、2位福島県、3位徳島県。堂々たる結果で長野県がトップです。塩分を多くとっている長野県ですが、平均寿命が長い。さらには野菜を多く食べているのです。確かに長野県は気候も涼しく、冬は厳しく、保存食としての漬物や味噌の食文化が栄えてきました。だからこそ塩分摂取量も多いのです。ここで裏付けられたのは、野菜に含まれるカリウムなどが体内の余分なナトリウムなどを排泄させる力があるということです。

私達は塩の多さを気にするよりも、ほかにもっと気を付けるべきは砂糖や食品添加物の量ではないでしょうか。

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