江戸時代にあった最も厳しい刑・・・塩抜きの刑
減塩ブームの日本。減塩が健康につながるという根拠がはっきりしないまま、それが本当だと信じている日本人。国民の多くが減塩を意識して取り組んでいます。
「塩抜きの刑」を知っていますか?江戸時代にあったといわれる、様々な刑罰のなかでも最も重い刑罰だといわれたそうです。
塩抜きの刑を実行したらどうなる?
実際にアメリカの医者テイラー氏は1930年代に、食事のなかから塩分を抜くという実験を自ら行いました。いわゆる塩抜きの刑を自らの人体実験をおこなったそうです。すると3~4日で食欲の低下や冷や汗がでてきた。5~7日で全身の倦怠感がでて、8~9日で筋肉の痙攣が止まらず実験中止したそうです。どんな強靭な力を持った人でも塩分摂取を中止すると、みるみるうちにその力を失ってしまうそうです。生きる体力と気力をも奪ってしまうほどの刑罰が、塩抜きの刑だったのです。
塩抜きの刑の症状は現代医学でも病名がはっきりついています。低ナトリウム症です。低ナトリウム症は気力と体力の低下と体温の低下、そして血流が悪くなり胃腸に障害をもたらします。また、熱中症も同じく低ナトリウム症に近く頭痛や吐き気など緊急を要する症状に発展します。熱中症は様々な原因がかさなっておきますが、熱中症予防には塩分をとることが大切です。それは暑さのなか体温を調整するために汗をかきますが、汗と同時に体内中の塩分(塩化ナトリウム)も出されてしまいます。すると体内の血液中の塩分濃度が下がります。水分不足が同時におきるため水を多くのむことでさらに血液中の塩分濃度は低下します。通常人の血液や体液の塩分バランスは0.9%(生理食塩水濃度)ですが、人体は血液中の塩分バランスを整えるため、逆に尿で水分をさらに排泄して塩分濃度の回復をはかろうとするため、すべてのバランスが崩れ始め熱中症の発症となり、危険を及ぼします。
言っていることが、あべこべ
日本人は日常的には減塩しなさいと言いながら、なぜ夏になると熱中症予防に塩飴なめなさいとか、塩が大切だというのでしょうか?。双方に言っていることが真逆です。現代の日本人は国上げて塩抜きの刑を積極的に自ら取り組んでいるようなものです。その結果、現代の日本人はやる気がないとか持続力がないといわれるのも、理由は複雑ですが、塩分摂取量との関連があるかもしれないと推察できてもおかしくはないでしょう。
減塩によって、もたらされる弊害を正しく認識すべきでしょう。
一日のはじまりの、一杯の味噌汁に勝るスポーツ飲料はない
塩飴をなめることよりも、スポーツ飲料を飲むことよりも、私達が日常的にできることがあります。それは朝食のなかで1杯のお味噌汁を飲むことです。十分な栄養バランスをもち、身体にとって無害な塩分として摂取できます。味噌汁を飲んだ1日は、健康で元気な1日をお約束できるくらい、大きな力を持っているでしょう。

