いきたまま菌をいただくための味噌汁の誤解

発酵食品の良さを十分に得るためには、殺菌された味噌ではその効果を期待できないと残念に思われると思います。

手作り味噌であれば、商品化するわけではないので、生きた味噌そのものを得ることができます。

生きたままの菌をとることが最も大切だ!の 不自然さ

健康志向の世の中で、「生きたままの菌をとることが最も大切だ!」と主張する声を聴くことがあります。

私はその声には大きな矛盾を感じます。私はその主張する方にすかさず言い返すことがあります。「あなたは、味噌汁を40℃以下でつくっているのですか?」

40℃以下で味噌汁を作ることはありえないと思います。具材を美味しく加熱し、ダシをとり、そこに味噌を加えて味をつくってゆきます。味噌を加えてからは沸騰すると味噌の風味や香りが損なわれることがあるので、沸騰しない程度の加熱をほどよく保つのが標準ではないでしょうか。その温度は約85℃くらいでしょうか。

なぜ私が皮肉にも40℃以下で味噌汁を作っているのですか?と質問するのは、多くの菌たちは40℃以上から死滅しはじめます。そして60℃以上で酵素が破壊され、さらに85℃ほどで死滅する菌がほとんどです。一部の特殊な菌は100℃でも死滅しないという例外を除いて、味噌汁をつくっている温度ではほとんどの菌が殺菌されています。生きたままの菌をのこした味噌汁を作るためには40℃以下でつくることが必須です。40℃以下で作った味噌汁は美味しいでしょうか?

後に菌のことについては詳しく説明させていただきますが、生きたまま菌をとることは元来日本人の和食では重要視しないどころか、菌を殺菌することで、ある程度制御してきたのです。

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