市販の味噌は殺菌されている

さて、発酵食品でありながら殺菌されている味噌。どのように殺菌をおこなっているのでしょうか?

最も多いのが「酒精」による殺菌です。

酒の精と書くから、なんだか身体によさそうな成分のように誤解しそうですが、酒精は食品添加物として表示義務があります。酒精はアルコールそのものです。糖蜜やトウモロコシ、コメ、サツマイモなどかを発酵させ蒸留させたものです。日本酒などに用いられている醸造アルコールとも同じです。アルコールなので殺菌作用があり、特に酵母の発酵によって生まれる炭酸ガスを抑制するために使われます。

賞味期限という表示

菌たちがはたらいて、じっくり発酵熟成して出来上がった味噌に、アルコールを添加し、攪拌することで味噌の中の菌類を死滅させることでこれ以上の発酵がおこらないようにします。したがって商品の味噌として包装されたものは菌たちの働きがないからこれ以上発酵ガスを出すこともなく、さらには発酵熟成することもないので、味も変わらく安定した商品になります。そこでメーカーとしては味が変化しないお約束の意味で「賞味期限」がつけられるのです。もし菌たちが生きていて発酵が進んでいたら、味はどんどん変化し、良い意味では熟成が深まってきますから、味が変わってしまうため賞味期限を設定しようにも設定できない状態です。

醸造アルコールの問題

酒精は食品添加物でアルコールですから何らかの影響を身体に及ぼすリスクは否めません。残存している量は微量であることから比較的安全だといわれやすいのですが、アルコールアレルギーがある方は微量であっても、酒精が含まれる食品をとると身体に影響を感じる場合があります。

もうひとつの問題は酒精(醸造アルコール)の製造に問題があるという見方もあります。製造工程では多種多様な添加物が使用されていますが、表示義務外であることからその実態は把握しきれません。また、原料となる穀物がトウモロコシの場合、その多くが遺伝子組み換え作物由来であることがあります。直接的にその遺伝子組み換え作物が醸造アルコールとして変化した状態で悪影響を及ぼすかどうかという検証は難しいですが、醸造アルコールの使用によって、結果的に遺伝子組み換え作物の栽培推進につながっているという、他の意味での悪影響があるのかもしれません。

その他の殺菌方法

さて、酒精で殺菌しない場合にメーカーとして行う殺菌方法はもうひとつあります。熱による殺菌です。標準的には包装済みの製品を85℃のお湯に約15分(中心温度)浸けることで殺菌が完了します。

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