すっかり肩を落としてしまったトマトさん
ある朝、トマトの苗が育っているハウスに入るとビックリ! 苗が今までみたことのないような姿で萎れているではありませんか。暑かったの?、水が欲しかったの?
そうじゃない・・・ 。あまりにも変わった姿に驚いてしまい、何か自分の判断がまずかったのかのか・・・同じハウスにあるナスやピーマンは朝日をあびて見事なほどきれいだったので、対照的なトマトの変わり様に私ではその原因がまったく分かりませんでした。そこで、いったいどうなっているのか妻に見てもらいました。
「まるで今の、あなたをみているようだ・・・すっかり肩を落としてしまって、元気がない」。
言われてみると、まさしくその通り。じつは、その数日前から私自身、とても憂鬱で落胆してしまうことが続いていたため、私の後姿はすっかり肩を落として元気がなかったのでした。
トマトは、私の姿にそっくりだったそうです。 いや~、まいっちゃうなぁ。トマトが自分の心を写しちゃった。じつは、無肥料栽培をはじめてから、このようなことが時々おきるようになりました。そして野菜たちは、農家の日々の健康をサポートしてくれています。
特殊な話のように思われるかもしれませんが、例えば農家が体調を崩しそうになるようなとき、ある作物の一部が急に枯れ始めるようなことがおきます。そのようなときは逆に農家がみるみるうちに元気に回復してきます。一部の作物が代表して農家を助けるために身代わってくれるそうです。
このように作物は農家(作物にとっての主人)をほんとうに応援しているようです。なぜならば、良い作物ができるには、農家が心身共に健康でいることが作物たちにとっても、とても大切なことだからです。その後、私自身はトマトたちからの絶大な励ましによって、元気になることができました。もちろん、それにあわせてトマトの苗も元気を取り戻したようです。ホッと、安心しました。きっと一番安心したのはトマトたちだったかもしれませんが・・・。

